本を読んで。何も出来ない自分だけども…

2021年

‎2014年5月。
僕は中国のカザフスタン国境近くの
西の端のウイグル自治区を自転車で抜けた。

スペインから日本へ自転車で帰国している真っただ中で
カザフスタン⇒中国ウイグル自治区⇒モンゴル
という流れの中だった。

⇩その当時、自転車で訪れた時の記事

⇩自転車を一時中断した時に訪れた時のウイグル記事

⇩僕が自転車で通った中国のウイグル自治区のルート。
(カザフスタンから入ってモンゴルに抜けるまでの中国ルート)

 

 

僕は中国のウイグル自治区の州都ウルムチから
モンゴル国境へ行く途中の小さな街で
モンゴル情報を調べる為、インターネット屋に入った。

そのネット屋は中国の身分証が必要だった。
それがないとパソコンが起動しなったかと記憶している。

日本のパスポートは持っているが中国の身分証はなくインターネットが出来なかった。

そこで僕は知り合ったその町に住むウイグル人に身分証を借りてネットやらせてもらった。

 

すると5分もしないうちに
そのネット屋に警察が来た。
中国国内で日本語のサイトを見ていたからだ。

中国政府はウイグル族の人達を何か適当な理由をつけては罪をきせ、逮捕し、収容所に連れて行っていた。

そのネット屋で外国語を見ていた僕をウイグル人だと勘違いし(身分証を借りていたので)
外国と接点があるテロリストの疑いがあるということで警察が飛んできた。

全てのネットが監視されていた。
(電話も盗聴されているという話も聞いた。)

 

幸いに僕は外国人であったので何もなくすんだのだが…。
僕に身分証を貸してくれた知り合ったウイグルの人は…その後どうなったのだろうか…。

その場では何もなかったが…。

 

 

その当時(2014年)ぐらいから徐々にウイグル自治区の
イスラム教の人達への迫害が強まってきていた。

言い訳になってしまうのだが
自転車で旅をしていて当時の僕は
その深い状況を把握出来ていなかった…。

 

でも、このことが今、現在まで胸にいつも引っ掛かっている。

僕を助けた人がそのことで、もしかしたら収容所に連れていかれて…もしかしたら拷問を受けていて…、もしかしたら亡くなっているかもしれない…。

そんな思いになっていた。。

情けないことに、このことを誰にも言えなかった。

 

そんな時に⇩このヤフーの記事を読んだ。

 

まさに長年、心につっかえていたことだった。
そしてすぐに、この記事で紹介している本を買って読んだ。

 

絶句した。

言葉が出てこなくて
読み終えて少し何も出来なかった。

何度も、辛くて手が止まったし
何度か涙も出た。

 

こんな現代にこんなことが起こっていいのだろうか。

 

非人道的なことが行われてる内容だった。

 

 

僕が当時、ウイグル自治区を旅していた時
他のどの地域よりも優しさを受けた。
それはウイグル族の人だけでなく
漢民族の人達からも多くの優しさを受けた地域だった。

⇩当時撮ったウイグル自治区のカシュガル

当時の日記を読み返したら、こんなことを書いていた。

雨と強風の中、自転車を走っていたら自転車ごとトラックに乗せてくれたこと。
寒さの中、店の前で雨宿りしていたら
閉まってる店を開けて温かいお茶やお菓子を出してもらったりしたこと。
公安の人までご飯を買ってきてくれたり、水を大量にくれたこと。
宿を僕の為に探してくれたり、それまたタダで泊めさせてもらったことなど助けてもらった多くのことが書いてあった。

そして身分証を貸してくれた青年のことはこう書かれていた。
「こうして人に何かをするのが好きなんだ。
この出会いも神様が出くわしたんだ。」と彼は言っていたと。

そして当時の自分は「感謝の言葉しか出来なく
ただ出会った人達に素晴らしい人生が送れますことを願うしかない」
と日記の最後に綴っていた。

 

ここウイグル地区では人の優しさに

一番多く心を打たれた地域だったのに

今、とてつもなく苦しく心が痛い。

今、まさに現在進行系で

非人道的なことが行われているなんて…。

 

 

こんな残酷なことが起こっているのに
全くもって多くのことが表に出てこない。。。

何も言えない世の中になってきていて怖いとも思った。

 

 

 

ただ、中国の全ての人がその非人道的な行為を行ってるわけではない。
むしろ大多数の人が心優しい人だ。
そういう人に実際、多く出会って何度も助けられた。

 

 

⇩当時撮ったカシュガルの街

 

 

 

この内容の記事を書くことにも
少し怖い気持ちもあるけれど

自分のウイグル人の青年に対する罪の意識を
ほんの少しだけでも軽くするためだろうか、
少しでも知ってもらいたく今回、この内容を書いてみた。

ヤフーの本の紹介記事にも書かれていたけれど
「何も出来ないけれど、せめて知らなければならないことはある。」と。

 

知ることで意識も変わる。

意識が変われば何かが必ず変わる。

そう信じて。

 

ほんの少しでも

0.000001ミリでも良い方向に

微動してもらいたい。

 

不安定な世の中で何か変な流れが

見え隠れしているけれども

人の心を信じたい。

 

 

そんなん気持ちもありこの本のこと、
ウイグルのことを書いてみました。

かなり重い本の内容ですが、読んだ後に何かが変わるのは確かだと思います。本の最後の方には少し世の中の今後の流れみたいなのも書かれています。2200円して少し高いですが、この内容を書いて、出版する勇気を考えると安い気がします。途中にリンクを貼ったヤフーの記事だけでも読んでみてほしいです。

 

 

 

長くなりましたが読んで下さってありがとうございました。

 

2021年

Posted by shigeru