スペイン巡礼の道 12日目~15日目

スペイン巡礼の道

4月11日  12日目 曇り そして激しい雨 後晴れ
Hontanas ⇒ Boadilla de Camino 27km


くっそーやられた。
雨の馬鹿やろうにやられた。

寒いし、風強いし、なんなんだ。一体いつ晴れるんだ。ここ1週間、いつもこの天気。
くそったれだ。朝、またいつもとお馴染みの天気。鈍よりぐもに風強し。
気分はそうそう。いつもより少し早く起き少し早く7時過ぎに宿を出発。歩きスタート。

また、今日も歩く。風が強くても、進む。いつもの変わらない草原をひたすら歩く。今日は朝から人が多い。

ブェン カミノ(よい巡礼をっという意)と声をかえすいすい抜けていく。しかし、30分もしないうちに肩が痛み出す。皆のバックは、自分のバックパックの半分くらいの大きさだ。今のところ、自分のバックより大きいのを見たことがない。バックを背負ってない人もいる。郵送で次の泊まる街に送っているらしい。こいつが、このくそ重いバックがなかったらっていつも思う。
毎度、本気で捨ててやろうかと考える。だがしかし、ドMの私は思う。辛いからいい。辛いところがビンビンする。辛いところに意味があるんじゃないのか。らくだったら何も意味がない。苦しんだすえ、悩みぬいたすえの何とかだろ。って自分に言い聞かせるものの、肩痛し。肩がコリ過ぎて肩コリコリになっている。

そうこうしているうちに、気づいたら1つ目の街を過ぎていて、2つ目の街Castrojerizに来ていた。街の北の丘には名前のごとくキャッスル、城の廃墟っぽいものが建ち古い町並みが長く続いている。そこを抜けてまた歩きだす。そして山を越える長い登り道になる。真正面から冷たい風を受け、鼻水が出てくるが、気にしない。気にしたら負け
ここで、得意の山登りバージョンになり、ここでスイスイと人々を抜いていく。結構、急な坂で油断したら転げて落ちてしまいそうに・・なるはずがない。ただ急ではある。
道端で拾って日に日に短くなっていく木の杖をうまく使い、登る。30分ほどで登りきったその頂上からは・・・鈍より雲だらけ。

少し休憩をする。そして歩く。少し雨が降り出すが15分ほどで止む。昨日までの1週間は少し降っては止み、また少し降っては止みの繰り返し。激しい天候の変化。風が強く雲の流れが早いから変化も激しいのかもしれない。いや、こんな天気だから風が強いのかもしれない。そんなのどうでもいいけれど。

3つ目の街に着く。今日は昼ご飯抜きの断食して歩こうかと思っていたが、誘惑に負け、パンを買ってかじる。ここからまたもや、雨。ここ一週間は降っては止み、また降っては止みの短い周期の雨だった。またすぐに止むだろう、この雨のおばかさん。って思いきや、このしげるのおばかさん。になっていた。止まん。ここでそんなトリックを出してきたか。1週間かけてのドッキリ作戦は見抜けなかった。緩い登り坂を登れば登るほど、雨は激しくなる。

そして、ドッキリ作戦に引っかかった為、雨具の下を履いていない。下半身ずぶ濡れ。何もない草原の中、途中で下のカッパを履くには雨をしのげる場所もない。荷も降ろせない。
徐々に健さんのカッパは雨が染み込んでくる。くっそーー。風ももろに真正面から。顔に雨があたる。さみい。くっそーー。負けんぞ。こんなんに負けんぞ。1人勝手に24時間テレビの愛は地球を救うのランナーになっていた。サライが流れていた。歩くスピードもかなり速くなる。それでも寒さが勝つ。体が温まらない。次の街まで遠い。それでも歩くしかない。
それしか選択肢はない。2時間休まず、荷も降ろさずぶっ続けで飛ばした。

夕方3時 Boadilla de Caminoの街に着く。肩も取れそうに痛い。そしてずぶ濡れ。カンカンカーン。ノックアウト。終了。先に進む予定だったが、もう駄目ですたい。そして、宿でホットなシャワーでホットホットに。
今日は久し振りに買ってあったヌードルを夕食に。ちなみに夕方5時過ぎから雲がないここ一番の晴れ間の天気。くそったれ。

4月12日  13日目  晴れ 後曇り
Boadilla de Camino ⇒ Carrion de Los Condes  約25km


あれ?体が歩きたくない病にかかった。
まだ日が昇らない暗いうちに起きて、外にタバコを吸いに行くと星が出ている。これは驚き。ここ何日もこんなことがなかった。これは歩け歩け大会日和だ。っと思っているも体がだるい。そして気持ちものってこない。ここで、一言何かを言えっと言われたら歩きたくないっと声を大にしていっただろう。そしてバックパックを背負いたくない病にもなっている。せっかく晴れた天気とは裏腹に気持ちがのってこない。それでも歩くしかない。

7時過ぎに宿を出発。まだ日が昇らず辺りは薄暗い。そして日本の冬の北風を思い出させるような、冷たく強い風が今日も吹いている。寒い。天気は久し振りの絶好の天気だが、風がまだ強い。こいつは騙されんぞ。まだまだ油断はできん。晴れたからといって、喜んでいると足元をすくわれるパターンだ。すぐに雲ってきて雨が降るっていうやつだろう。今日は騙されん。そうこう考えていると日の出が迫ってきていた。空の雲が赤く染まり、刻々とその姿、様相を変える。朝の芸術だって思う。暫く歩を止めて見入ってしまう。

1時間半ほどで、一つ目の街に着いた。ここで、お店でコーヒーとトルティーヤを食べる。今日は朝から何も食べていなかったので、ここでちょっと食を口に入れるがあまりお腹の足しにはならず。寒いところから暖かいところに急にきたら、一気に眠気が襲う。うー歩きたくない。それでも仕方がない。歩を進める

1時間後、次の街に着く。昨日からきらしていて、朝から探していたもの。それはフランスパン。スペインだけどフランスパン。大好きなあなた。それを手に入れ、そしてほおばる。やはりうまい。出来立てがまたさらに美味しい。フランスパン食べたから、さーやる気も沸いてきたか?って思えばそんなことはない。

ただただ、平坦で歩きやすい、真っ直ぐに伸びた舗装道路の横の道を緑の草原に囲まれ、歩くのみ。この景色に永遠と続くような道はちょっと嫌気が差してくる。天気はいいのになー。それでも歩く。変わらない日々でも時は過ぎる。そこでどれだけ、モチベーションを上げれるか。しかし、どうやって上げればいいのだ。結局、そのままの状況と景色が今日の泊まり場所 Los Condesまで続いた。
一つ手前の街で少し遅い昼食にフランスパンをかじったのだが、日が当たり風もこなく温かい一時で眠くなってしまっていた。少し疲れているのか・・・。そして案の定、午後になり、雲がわさわさとわいてきた。ほら、言わんこっちゃない。次の街へ進もうか悩んだ揚句、隣町まで17kmもあるのだが、きょうは断念した。今日はゆっくり休んで、もう一度、気合を入れなおしたい。
14時 宿にチェックイン。夕食はキノコスープパスタ。明日から歩くぞーおー

4月13日  14日目  晴れ 時々曇り
Carrion de Los Condes ⇒ Sahagun  40.2km


きまくった。かなりいいものがきまくった。
スイッチが入った。ぎゅぎゅぎゅーんっと入ったぞ。歩いた。40km越えをした。

快晴の朝。風もなし。それでも、いつもの毎朝がきたという寝起きだ。今日の宿の人達は目覚めが早い。6時にはほぼ全員、15人ぐらい起きて身支度をしていた。その流れにのって自分も起きだす。朝食にフランスパンとコーヒーをキッチンで作り、イタリアとフランス人グールプと談笑しながら食べる。彼らは自分より早く朝食を済ませて出る準備に取り掛かっている。そしてそ余り物のチョコパンやらプリンを頂く。プリンって。そんな高級品を食べてもいいのですか?って聞く前に手を出していた。その美味しさに感動をおぼえる。その余韻に浸っていたら、出遅れてしまった。

それでも7時半には宿を出た。また歩きの一日だ。
街を抜けると少し霧がかかっている。進むにつれて、その霧がますます濃くなっていく。風がないからなのだろうか。田畑からの水蒸気が溜まって停滞して出来るのだろうか。気づけば周りが見えないほどの霧の濃さ。先が見えない。んんん、今の自分の状況と一緒じゃないのか。自分は今、人生の霧の中にいるみじゃないか…。その霧に包まれて微かに見え隠れする木々や小花が何とも言えず幻想的で夢の中のような感覚だ。一面に咲き乱れる黄色の菜の花郡もぼかされ天国があったらこんな感じなのかもしれないと、1人夢みごち。

スタートから次の街まで17kmと離れていて、4時間ほど、歩き続けなくてはならない。その道がひたすら真っ直ぐ、直線の道。そしてフラットで道も整っていて歩きやすい。
2時間ほど、歩くと徐々に霧がはれ、視界がひらける。雲の合間から青空がちらほら見える。進むべき道も見えだす。どこまでも果てしなく長く長く道が真っ直ぐに伸びている。道の一番遠くに見える先は地平線。どれだけ歩けばいいのだ。その距離の遠さに気持ちがなえる。逆に霧で見えなかったほうがよかった。先が見えない状況のほうがいい場合もあるのかも。
どこまでも真っ直ぐ伸びている道。その周辺は、所々に木々が立って林になってはいるが、ほぼ360度地平線が見える。その地平線と何もないただ草原の中をひたすら歩く。そこに青空がのぞく。心まで綺麗に晴れ渡る気がする。真っ白な雲は低くゆっくり流れていく。なんて気持ちがいいのだろう。こんな大きな大地が存在して、小さな自分もしっかりここに生きている。両手を広げ胸いっぱいに空気を吸い込む。おもわず、やったるぞーっと叫んでいた。スイッチが入った。昨日のぐだぐだが嘘の様にエネルギー全快。どこまでも進んでやろうと、あわよくば日本まで歩いて帰ってやろうかと思ったりもした。気持ち次第でこうも変わるものなのかと。

そして宿で一緒だったフランス人達に追いつき、くそ長い道だと話しながら、先に行かしてもらう。そして一つ目の街に着くも一本タバコを吸ってまた歩き出した。こんな天気がいいのは滅多にない。街よりも草原の中にいたい。という思いだ。その勢いのまま、40kmを歩いてSahagunという街で泊まることに。夕方5時着。

この街の1つ手前の街から20人ほどのスペインの地方からきているという50代ぐらいのおばちゃんグループと出会う。団体の人達がいると、どうも歩きづらい。大勢だから抜きづらくもある。こっちは1人だから、なんとなく気まずくもある。しかしどこの世界もこの年代の女性はパワフルだ。しゃべるしゃべる。こんな綺麗で壮大な景色の中しゃべってしかない。そこをうゎー抜きづらいなって思って近づいたら案の定おばちゃん達に捕まった。どこからだ?日本のどこだ?今日はどこまで行く?サンティアゴまでいくのか?等々。日本人が珍しいのか写真をも撮られる。それも何人も。こっちも何だか楽しくなってしまい、おばちゃんと肩を組んでイェーイっとちょっとはしゃいでしまったりしてしまった。なんだかんだで、いいおばちゃん達だった。そしてテンションも上がっていた自分もいた。
そんなんで明日も晴れてくれ。夕食はパスタトマト味。

4月14日  15日目  快晴  無風
Sahagun ⇒ Mansilla de las Mulas 37km


ハエとの格闘。
二日連続での快晴で春の日差しでポカポカ陽気。それに誘われ花々、木々、草々、鳥達は踊るように元気に見える。ただ、ただ、ハエ君達も春の陽気に踊りだしてきた。

今日は昨日の歩き疲れもあり、出だしが遅れ8時の歩きスタート。無風で快晴の雲ひとつない青空。ただ同じ天気でも昨日の意気込みとは打って変わってまた今日も歩くのかー。という、ちょっとご機嫌斜めなの感じの朝一だ。それでも歩かなくてはならない。朝日を浴び朝露をつけた草々は光り輝く。鼻で大きく空気を吸えば朝の匂いがする。そして毎日お馴染みの草原が広がる。そして歩きやすい整った土の歩道がフラットに長々とどこまでも続く。またいつものが始まったかっと、うな垂れる。何を考えて歩いていいのかも分からず、もくもくと歩くしかない。
気づいたら一つ目の街を通り過ぎており、2時間半ほど経って二つ目の街に着いた。タバコを吸って少し肩を休めてからまた歩きだす。徐々に気温も上がってきて、着ていたフリースを脱ぎネパールで買ったTシャツで歩く。

気温の上昇と共に、やつらは現れ出した。ハエ君達ちだ。ブーン ブーン。あるやつは耳の穴に、あるやつは口の中に、あるやつはおでこに張りつき離れない。目の前をブーン ブーン。
 こら!こらこらこら!やつらはどこまでも追いかけてくる。歩いて進んでいるのについてくる。そして新たなハエ君達も参加してくる。そんなに臭いか!うんこと一緒か!なぜか、顔の周りに集まってくる。足や手はどうだろうと思い、歩きながら下を向いて確認してみるも、やはり寄ってきていない。んんん、口か?口が臭いのか?
手に持っていた杖を顔の前で左右に振ってやつらを追い払う。効かない。今度は被っていた帽子で追い払う。効いた。目の前からいなくなった。っと思って歩き出せばまた寄ってくる。なんなんだ、くそー。もう相手にしない作戦に出た。
ブーン ブーン。・・・・。無視。
ブーン ブーン。ブーン
えーーぃ!!ドーーン!

無理だった。帽子で格闘。
前回の旅でニューヨークのゴキブリホテルで三ヶ月やつらと格闘したのを思い出す。そんなこんなを続けながら2時間ほど、次の町に着いた。
教会前でフランスパンをかじっていたら、昨日の宿が一緒だったドイツ人とアルメニヤ人のおじさん達と会い、一緒にベンチで昼食を取る。そこに教会の神父さんが通り、英語で書かれた手紙をくれ、ゴールのサンティアゴまでの無事を祈ってくれた。そしておじさん二人は早々に昼食休憩を切り上げ歩きに出た。自分も食後の一服を吸い歩き再開。相変わらず、変わらずの風景。
ハエがうるさかったので車道に出て歩く。黙々と直線を進む。ただ、今日は遠くの北側に雪を被った山々が小さく連なっているのが見える。ヨーロッパの山も登ってみたいなぁっと山の心も少しくすぐられる。

3時間後、ようやく、街に着いた。ここで悩む。次の街へ行くか、ここでSTAYするか。時刻は夕方3時過ぎ。すでに31kmを歩き、疲れがきていた。30kmを過ぎると足の裏が痛くなってくる。全ての重みが足裏にかかり、歩きっぱなしだから、血が全て下にいき痛みを伴う。迷った揚句、もう6kmほど進みことにした。

最後は1~2時間はもう惰性で歩く。ゆっくりゆっくり、少しづつ少しづつ。歩き方も少しぎこちなくなるが進む。そんなちょいヨレヨレのところに、前からチャリンコに乗った親父さんが来た。
道を開けてゆずる。
そのおじさん。すれ違いざまに、にっこり笑い、指を三本立て、挨拶などなしに
「トレス」(数字の3の意)
っと一言のみ言いおった。
んんん?なんだ??トレス??何が??え??
振り返って親父さんを見るも、すでに遠くに去っていっている。意味が分からない。その「トレス」の一言が気になって気になってしょうがない。
3?
次の街まで3km?
いや、どうみてももっとある。なんだ?3?やめろうよ。そんな意味分からないことを口にしていくなよ。こっちは歩くだけですることないんだから、それはいろいろと考え、悩むって話だ。結局分からずじまい。一体なんだった。あのおやっさん。そうこうして夕方5時宿に着く。疲れきった。夕食に今日はパスタしょうゆ味。

 

👇朝焼け

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👇明日来てくれるかな?

👇ハイヒールの音が近づいてきたと思ったら馬だった。

👇川を渡るときのおしゃれな橋

👇教会

👇霧の中の菜の花畑

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👇こんなところを歩いてます

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