スペイン 巡礼の道 8日目~11日目

スペイン巡礼の道

4月7日 8日目 晴れのち曇り  Najera ⇒
Granon 27.3km


寝坊した。気づいたら7時を過ぎていた。

素早く身支度を整え、朝食にフランスパンにハムとチーズをのせマヨネーズをかけて食べる。
美味

そして、外の様子を確認すると快晴の朝。雲がない。こんな天気を待っていた。8時過ぎに宿を出る。そして新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込み歩くのみの一日なんだけれど、一日が始まった。
ここ何日も同じなんだが何もない、草原の中、なだらかな登り道を歩く。先には4~5人の人達が歩いている。

皆、久し振りの快適な朝を楽しむようにゆっくりと歩いている。30分も歩くとすぐに肩が痛くなってくる。この肩だけはどうもなれない。他の体や足はもう筋肉痛もないほどなれている。肩は誤魔化し誤魔化し歩くしかない。

一時間ほどで、一つ目の街、その二時間後二つ目の街と順調に抜ける。
その次の街、サント・ドミンゴという大きな町に着いたのは午後1時前だった。
ここまで5時間ほど、ちょっと一服休憩を何度か取っただけで、歩き続けている。
さすがに疲れて普通のおっさんになる。
ベンチでパンをかじる。その目の前には大きな教会が建つ。
迫力と古さの重みを感じるが、ミサ中で中には入れない。

空模様がまた怪しくなってきた。西から強く冷たい風が吹き出す。雲が広がってきている。雨はなさそうだが、何かすっきりしないし、寒さが身を縮めさせる。

次の街へ向かうも真正面からの強い風をうけ、なかなか前に進めない。そして寒い。
一歩一歩進む。緑色の草原が広がるも何も感動を生まない。

坂を上りきったところに、街が見えた。
30分くらいで着きそうだと予想出来る。ここの街グランニョの巡礼宿がいいと聞いていた。教会の一部が部屋になり雰囲気がいいと。そして晩御飯も朝食も付いて寄付金だけでいいと聞いていた。ただ、時間も体力もまだある。次の街へ一時間ほど歩こうとしたのだが負けた。風の強さに負けた。急いでもしょうがないし、人から何か言われたらそれに、のってみようと思ってたところだ。

そして、宿に着く。暖炉もあったりとで雰囲気は申し分ない。その模様は写真にて。

ゴールのサンティアゴまでの距離、560kmとかって出ていたけれど、まだまだ長い。
東京-大阪間ぐらいある。

夜8時、宿にて無料の夕食が出る。八人ぐらいの各国からの宿泊者でいただく。サラダ、魚介類の入ったスープに白米が入ったもの。パエリアとは違うがスペイン料理と聞く。
美味。

久し振りにパスタ以外のものを食べてかなりの満足度。そして赤ワイン、食後にフルーツも出てくる。なんなんだ。
ちなみに、普段はお酒は飲まないのだが、この日ポルトガル人のペドロに強く勧められバーに行ったのだが、なんと、グラスワインが0,5ユーロ。60円とかでバーで飲めちゃった。
コーヒーより安い。なんなんだ。
そういえば、スーパーで1Lのパックのワインが1ユーロ(120円)で売っていた。
なんなんだ
ドイツではスーパーでビールが500mlが1ユーロしなかった気がした。さすが酒のヨーロッパだ。

夕食後、教会でミサではないが仏教でいうお勤めみたいなものを行った。
真っ暗な教会内で祭壇だけがライトに照らされ黄金に輝く。ローソクで自分たちの周りに光がともされる。そこで、英語で書かれた誓いの言葉みたいな紙を渡され各自の自国の言葉でそれを順番に口にする。宗教英語は難しい。よく分からない。日本人は他に誰もいなかったのでとりあえず適当にそれらしく、愛が全てだ。道は開ける。時は来る。俺に任せとけ。と口にしておいた。そしてその後、それぞれの想いを自国の言葉で表現しろという。
何を喋っていいのか分からず、やったるぞーい。っと口にしといた。

そして、その後、瞑想なのかどうかわからなかったが長い静寂の中に5分程、身をおき、そしておしまい。今日も素晴らしい、いびきがかけそうだ。

4月8日  9日目  曇り 風強し  Granon ⇒
Villafranca Montes de Oca 28,4km


朝7時半に朝食まで無料で出され頂く。
無料というかドネーション(募金、寄付)での全てであって、募金箱に寄付を5ユーロだけする。

そして宿を8時半に出た。宿泊客の皆が素早く出て行く中、一番最後の出発となる。風が今日も強い。それも真正面からの冷たい風。平坦に近い道を今日もまた草原の中歩く。

ここ何日も、こんな感じで、毎日、草原の中、タダひたすら歩くしかない。だから書くことも特になくなってしまう。
全ての町が中世の様相を残してい、教会もあってとここにきて変化がなくなってきてしまった。うーん、何を日記に書けばいいのだろうか。ただひたすら歩くのみ。途中途中の街のベンチでフランスパンにチーズとハムをはさみ、マヨネーズをかけ、それをほおばる。街のマーケットでフランスパンとチョコパンを買いそれをも食べる。

そしてまた歩き出す。

それの繰り返し。

そして午後4時過ぎにオルテガという街に着き宿をとる。初めて日本人らしい女の人が宿にいた。ただ、その人は日本人を嫌いっぽい。っていうか汚い自分を嫌いみたいだ。他の人にはいろいろと話をしているのに、自分とすれ違ったときには、目も合わせず。別に気にしないけれどねー。そんなんで今日も夕食パスタトマト味。

 

4月9日  10日目 曇り 時々雨 時々晴れ 風強し
Villafranca Montes de Oca ⇒
Burgos 39km

今日も雲の流れが速い。

朝、宿の窓から眺めた外は低く垂れ込めた、どんよりとした雲が空いっぱいに広がっている。そして風も強い。すかっと晴れない。

それでも、今日は気合を入れて長距離を歩くつもりだ。宿を7時半前に出て、足早に飛ばす。朝一番から登り坂。こたえる。風が真正面から吹き付ける。台風がくる直前の風みたいに強く、そして冷たい。

一時間ほどで山の頂上付近に出る。そこからは登ってきた道から、その町並も見える。東の空の雲の切れ間から薄く太陽の朝日が差し込む。
ここから、2時間ほど、ほぼ、平坦な山の尾根上を歩き徐々に下っていく。景色は見えないが木々に囲まれ、風が吹き込んでこない。これが助かる。歩きやすく、寒くない。

歩き出して2時間半ほどして一つ目の村 San Juan de Orutegaに着く。
この辺りから雨がまた降り出してきた。
最悪だ。風に雨。

こうも毎日だと気が参るが、今日の自分は歩きながら徐々に気持ちが高まってきていた。テンションが上がってきたぞー。オー。歌も歌う。そーれ、かっ飛ばせバース ライトへレフトへホームラン。のっている。

教会の前で小腹がすいたのでフランスパンを齧る。
そしてまた歩く。次の村を越えまた山に入る。ただ、途中から石が多くなってくる。そしてなぜか石だらけの道に。
さらに上へ登ると今度は大きな白い石がゴロゴロしだす。遠目から見ると人間の頭蓋骨、骨の用にみえる。
頂上に出た。真っ平な地が広く広がっている。
そして十字架がたつ。
石で何十にも円を描いた20mほどのサークルもある。

強い風に山にかかりそうなほど垂れ下がった灰色の雲と殺風景なその場がとても悲しい場のように感じてしまう。この場は何か意味がありそうだなぁと考えながらもその場を去った。

そこからひたすら、歩く。遠い。4~5時間後ようやくバーガスの大きな町に5時に着いた。
頑張った。40km近く歩いた。
ただまだ歩ける余裕もある。目標は毎日フルマラソンの距離を歩く。
そしたら、頭もおかしくなりそうだが、やってみたい。今日で歩き始めて10日目。体もだいぶ慣れ、いけそうだ。肩の痛みだけはどうしてもなれない。風呂に浸かりたい。湯船が恋しい。
そして宿にキッチンがなかったので夕食はフランスパン。
今日は一日三食フランスパンじゃないのか??美味しいから、まーいいか。

4月10日  11日目 曇り 時々雨   Burgos ⇒
Hontanas  約30km?

風が止んだ。

朝1番のタバコを吸いに外に出たら、毎日強く吹いていた風が止んでいた。
ついにきた。出番がきた。今日はスカッといきましょうか。おー。
ただ雲は辺り一体にあるのだが、今日はいけるだろう、今日はきただろ。

まだ、皆が起きないうちから身支度を始め、7時半に歩きスタート。

外はようやく明るくなりだしてきた。ここスペインの時間はちょっとおかしい。
朝7時半で少し明るくなり、夜9時過ぎまで明るい。だったら、1時間時差を遅らせればいい。フランスやドイツはここより1時間遅いのに、なんなんだ。

バーガスの街を抜けるのに30分ほど歩くと、またまた草原に出る。
今は草原になっているけれど、夏にはこれが麦畑なのか、何かの畑に変わる。
今もトラクターが行き交いし畑に肥料っぽいものをまいている。こんな広い畑だったら何でも作り放題ではないか。ここまで歩いてきたところ、ほとんどが畑だ。
それも高地。800mほどの標高がずっと続いていて
それも起伏は少なく平地が多い。高地だから寒暖の差もあるだろう。寒暖の差があると、甘味が増すらしい。

旅に出る前にキャベツ畑で働かせてもらった自分はここだったら甘味があって美味しいキャベツが作り放題だ、いや、トマトだ、いやフルーツもいけるなど1人妄想に耽って緩やかなUP、Downを繰り返してを歩む。風はなくはないが弱い。断然らくに歩ける。

2時間ほどで1つ目の街Tardajosに着く。
コーヒーでも飲もうかと思ったが、結局、大好きなフランスパンを1本買うのみ。
それをバックの脇に挟む。
ちょっと、かっこいいでしょ。
でかいバックパックの脇にフランスパン。お気に入りのスタイルだ。

30分後2つ目の街に着くも足早に過ぎる。また、風が少し吹き出したかと思うと、黒い雲がワサワサと湧き出してくる。遠くに目を向ければ薄く霧がかっているようにクリアーじゃない。その辺りは雨が降っている。

その方向へ道が伸びている。

くっそーまた雨だ。なんなんだ。
スペインの健さんから貰ったカッパを着込み、バックカバーをかける。
いつでもこい雨やろう。
っと1人つぶやく。最近は独り言が特に増えてきている。
インドの山奥で会ったサドゥは喋らない修行をしていたのを思い出す。
そこに喋らないで感じる何かがあるのだろう。口は災いの元。男は黙って背中で語れ。健さんを見習わなくてわ。

2時間ほどでHomillos de Caminoという街に着く。ここの教会前で昼食にフランスパンにチーズとハムを挟んでマヨネーズをかけたものを食べる。
うまい。

そしてまた歩き出す。緩い登り坂が続く。そこを登りきると、そこは平坦な草原がどこまでも広がっている。地平線が360度ちかく見える。気もちいい・・・だろう。雨と鈍より雲がなければ・・・。

1時間ほどして、肩も痛み出していたので、石が積み上げられている道の脇に荷を降ろし、腰を着く。ポケットからタバコを取り出し、火を付ける。一帯を見回し、積み上げられた石に背中を預け、目を閉じてみた。

何匹もの小鳥の高い鳴き声が絶え間なく聞こえる。風も鳴る。暫くそのままでいた。
タバコがうまい。よっしゃー行きますか。と荷を担いでまた歩きだす。

そして3時間程、Hontanasという町に着き、今日はここまで。歩いたのは30kmぐらいだろうか。ちょい歩き少ない気がするが、まぁいいべ。夕食にパスタトマト味を食べる。

 

👇バーガスの城


👇夜の教会の祭壇にライトが灯る

👇教会の一部が巡礼宿になっているところの写真

👇みんなで食事

 👇山の頂上にあった石で出来たサークル                  👇石だらけ

👇石でできた矢印 何をさすのだろうか

👇こんなところを歩く


DSCN0648