思ったことと出会い。

チャリの旅(グルジア・アゼルバイジャン)

自転車の再スタート地点

トルコの南の海沿い アンタルヤ。

 

ここから500~600km程でシリアボーダーがある。このボーダーを境に天と地。天国と地獄の差がある。

 

前回の旅、当時28歳だった。

中東を周る際にシリアに入国した。

 

シリアの首都ダマスカスに2~3泊ぐらいしかしなかったと思う。ほんの一部分しかみていないけれどそこはただ普通の日常で笑いや平和な暮らしが垣間見ることが出来た。


それが今・・・。


あの頃、一瞬しかすれ違わなかったけれどそこであったシリアの人たちは今はどうしているのだろうか。詳しい現状の本当のことは分からない。首都のダマスカスは一応の様相はそこまで変わらないらしいけれど、でも、今の精神的不安はあの頃とは大きな差であるのは間違いないと思える。

 

現在、トルコにシリアからの難民が
多数入国してきていると聞いた。

 

トルコの南のシリア国境近くの都市はテロリストがいるから

危険だから行くなという助言も受けた。

 

また自転車の旅中、明日からトルコの軍隊に入るというトルコ人にも会った。彼はシリアとの国境に配属される可能性もあるとも言う。こればかりはどうにもならない。インシュアーラー。神のみぞ知ると。


命の保障はない。
 
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そんな現状がトルコのアンタルヤからたった500~600km近くにある。日本でいったら東京ー大阪間の距離。


大人も幼い子供もなくなり、街が焼け、街が壊れ。

 片や戦場に向かうかもしれない鬼気迫る日々の人。

いつ命が亡くなるか分からない戦禍にいる人。

住む場所を失くし、不安にかられている人。


自分は本当に自転車で旅なんかしてていいのだろうか。

考えさせられてしまう。

同じ命の重さなのに。

 

自分に何が出来るのだろう。

自分に出来ることって何だろう。
 
何も出来ない。

 

亡くなった人達のぶんまで

日々を全うするしかないのかもしれない。

それが正解なのかも分からない。

 

今はただ、モスクや教会に入った際

頭を下げ、手を合わせ祈るしかないのかもしれない。

そんなことを考えながら自転車を走らせて
ちょっと不調になりかけていた。

そんな時にグルジアの街を走っていると

目の前から日本人の年配の方が
(おそらく退職後の人)
リアカーを引いて現われた。

驚いた。自分のお父さん世代の何歳も上の人が
リアカーで旅をしていた。



一時間ぐらい路上で話し込んでしまった。



その人は途中で車に衝突をされ
足に包帯を巻いている姿だった。


 
聞くと、中国のキルギスの国境近くの町から途中途中はビザが切れるまでにその国を抜けられないため飛行機で飛んではいたけれど、モロッコまで行くと言う。

 想像できない。自分の比じゃない。

そして思った。

今はこれでいい。
思うことを全うしようと思えた。

そして、そのリアカーの高下さんと別れた。

包帯姿でリアカーを引いていく
後姿は美しかった。

パワーと勇気を頂いた。

 

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そのリアカーの高下さんとの写真

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テントを張らせてもらった近くのレストランの人達

 

👆途中の工場の廃墟が旧ソ連ぽかった

そんなんで、自転車で明日アゼルバイジャンへ入国する予定!
よし、いくぞ!