モンブラン 登山 4810m 登頂

2016年, 海外登山

なんとかモンブランを登頂して

無事に降りて来ました。

 
いやー久し振りに精魂尽きた!

 

かなりしんどかった!!
 
最後はパワーがなくなって
動けなかった。

 

この時期のモンブランはすごく人気で
最もポピュラーなグーテ小屋から山頂というルート上の山小屋は3ヶ月前から予約をしなくちゃ取れないらしい。

 

キャンセルが出た場合の宿泊や飛び込みで廊下とかで寝させてくれるとかあるらしいが行ってダメだったら、どうしようもなくなる。

 

それでいて、テントが張れる場所も限られている。

 

選択肢はとりあえずなかった。
テントが張れるテテルース小屋と呼ぶのかタタルース小屋と呼ぶのかわからないが、そこのテント場にテントを張って登頂を目指すしかなかった。

 

こいつがしんどかった!
ここから頂上までが長かった!
テント場の標高が約3100m
モンブランの頂上が約4800m

 

標高差1700mを1日で行って帰って
来なくちゃいけなかった。

 

👆そのテント場の写真
 右の黄色のテントが自分のテント
 

 

ここまではロープウェイと登山電車で標高約2380mのニーデグールという駅まで来て、それから3〜4時間登ったのかな。道を間違い30分程ロスもしたけれど。

 

 ↑登山電車。ちなみにロープウェイと
登山電車の往復の値段は40ユーロ。
↑初日の登り

↑初日の登り
 

 

テテルース小屋にテントを張り
1泊して次の日、頂上へ行き
またここへ戻ってきて次の日
下山という2泊3日の工程だった。

 

通常なら初日にもう一つ上の3800mのグーテ小屋という所まで行きそこで1泊して次の日、頂上まで行き下山という1泊2日でいけるとのことだ。

 

ただ、そこはテントを張る事が禁止されていて小屋に泊まるには予約を
しなくちゃダメよダメダメだった。
 
👆2日目、頂上へ向かうためにまず始めに
写真の上部の雪と岩の標高差600mの
急斜面を登らなくてはいけない。

 

そしてここが落石の危険大。

 

 
ちょっと遅目の朝、3時半頃の出発になってしまい、この時は暗くてよくわからなかったが、帰りの明るい時にみたら今にも岩や石が落ちてきそうだった。

 

 
帰路は気温も上昇して雪も緩くなりだし、落石の危険が倍増。

 

耳を集中させ落石の音をいち早く察知しようとし落石があったらここへ隠れようとも考えて下っていた。

 

 
 
 
そんなんで、この場所からでは
かなり遅目の朝3時半頃。
モンブラン頂上への出発だった。

 

 
空は満点の星空で
気持ち悪い程の星が瞬いてた。

 

 
とっくに出発した人達の多くのヘッドライトの光が斜面の中腹に列をなしている。

 

 
自分もヘッドライトの明かりを頼りに急斜面を登る。何箇所も滑落防止のワイヤーが取り付けられていた。

 

ただ、それ程までに危険は感じはしなかった。
 

 

登るにつれて斜面もドンドン急になってくる。

 

 
前のグループの人達を待ったりして
なんだかんだで、この標高差600mを
抜けるのに3時間くらいかかってしまった。

 

 
午後から天気が崩れると聞いてきたので
少し急いではいた。

 

 
 
そして、そこを登りきったところに
泊まりたかったグーテ小屋が現れた。

 

 
雪に囲まれた綺麗な山小屋だ。

 

ここで標高3800m。

 

 
ここから、さらに1000mも上に登らなければいけないと思うと心が萎えもした。

 

 
一帯はすでに明るくなり出し
太陽が東から顔を出して、雪面に光と影のコントラストをなしていた。

 

 
 

 

 
そして、そこからは広く開けた、比較的なだらかな斜面が続いた。

 

 
↑こんな感じの開けた道
 
登りで息が切れて疲れるのだけれど
澄み渡るいつもよりちょっと
濃い青空に開けた雪の世界は
歩いていても気持ちがいい。

 

 
気持ちが良すぎて肛門も開いてしまい

 

歩きながらプップ プップと
屁をかましながらの歩行だった。

 

 
屁たれロードと勝手に
名前もつけてしまった。

 

 
 
歩くこと1時間くらいだろう。
徐々に下山してくる人達とすれ違うようになった。登頂した人達もいれば、途中で断念という人達も多くいた。

 

 
前日にテント場近くで一緒になり
話をしたノルウェー人のアリーバとも
すれ違った。

 

 
彼もまた初めてのモンブランで
同じく単独の登頂を目指していた。

 

 
話を聞けば、途中で高山病で頭が痛くなり、手も震えだしたから断念して降りてきたという。

 

 
それは残念過ぎる報告だった。

 

 
でも懸命な判断だったとも思う。
自分は行けるとこまで行くよ。
と言って彼と別れた。

 

 
途中で断念した多くの人達とすれ違うと
自分の中の心も弱気になっていく。

 

 
体力があるうちはいい。
疲れてしんどくなってくると
自分も途中で降りてしまいたい
気持ちにかられる。
 

 

それを追いはらいどこまで強い気持ちを維持できるかがポイントだった。
 
 
 

 

そんなんで、なんとか4300m付近の避難小屋が建つところまで来た。
 
 
 ↑途中の景色
 そして、ここからがしんどかった。

 

降りて来る登山者に聞けばここから
頂上まで、まだ2〜3時間もあるという。

 

 
この辺りから少しづつ頭痛が始まった。
息も切れる。
この日の朝までバンバン、タバコを吸っていたのを後悔した。

 

 
徐々に風も強くなりだす。

 

 
それでも少しづつ、半歩半歩、足を進めていく。
足元は幅1メートルもなく、両脇は
さよならと言っているような急な雪斜面。風にあおられない様、ゆっくり慎重に進む。

 

 
 
 
 
目の前の斜面を登りきったところで、もうすぐ頂上だろうっと踏ん張った。

 

 
登りきった。

 

 
するとスットコドッコイ。

 

 
また違う雪山が現れた。

 

 
それをまた、ゆっくりと登っていく。

 

 
ピッケルを刺しては一歩。
ピッケルを刺してはまた一歩。

 

 
少しづつ薄い煙の様な雲が下から上と
上がってくる。

 

 

↑山が雲に飲まれる
 
天候がくずれそう。
そう思いながらなんとか目の前の雪山を登りきった。
 

 

やったー 着いた!!
 

 

とおもいきや
またまたスットコドッコイ。
 

 

休んでいたフランス人3人グループに
聞けば、ここじゃない。
もうひと山だ。と言われる。

 

 
くそー。
もう無理だ、体力がもたねえし
頭も痛ぇ。

 

 
そう思いながらも、ここまで来たら
行ってやると、再奮起をした。

 

 
 
そこから大きなクレパスを巻いて
氷壁をピッケルを使ってよじ登る。

 

 
↑氷壁の上の2つの黒い点みたいなのが人
 
↑右の小さい黒い点が人
 
 
氷壁の上もまた、急斜面でこけたら
確実にもっていかれる。
恐怖心おさえアイゼンを
引っ掛けない様、慎重に少しづつ登る。
 

 

そして最後の最後、頂上までの一本の登り。

 

 
      ↑最後の登り
 
焦る気持ちを押させながらも
心の中では早く、早く、と。

 

 
そしてついに。

 

 
着いたーーーー!!!
やったーーーー!!!

 

 
んんん、でも何にもねぇーー!!

 

 
着いたそこには、ただ何にもない
平たい空間が開けていただけだった!!

 

 
 
想像では十字架が建っていたり
標高4810mと書かれた看板があると
思っていたら、はい、なし!!

 

 
何にもなし!
 
       ↑モンブラン 頂上!!何にもなし!
       登頂時間が遅すぎて人もいない!!
↑頂上からの景色
 
たまたま、頂上に着いた直後にフランス人2人組がその頂上から下山しようとすれ違って、ここがトップだ、おめでとうと言ってくれたから、喜びも込み上げて、そこが頂上って認識出来たから、よかったけど。
 

 

そうでなかったら、ここか?ここでいいのか?って半信半疑で喜んでもいなかったろう。

 

 
 
下山中に出会った人が言うには
十字架等があっても雪で埋もれて
何十メートルも下にあるのじゃないかと
いうことだった。

 

 
 
頂上には何もなかったけど
それでも、モンブラン 4810m なんとか
無事に登ったぞー おー

 

 
 
↘︎途中の景色